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【発酵と美のまち】長岡・摂田屋へ。サフラン酒の蔵と、越のむらさきの香りに包まれる時間

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【発酵と美のまち】長岡・摂田屋へ。サフラン酒の蔵と、越のむらさきの香りに包まれる時間

「こんな場所が新潟にあったなんて——」

長岡市・宮内駅からほど近く。
青島食堂の湯気の先に広がるのは、“醸造の街 摂田屋(せったや)”
味噌・醤油・酒・そして薬酒まで、発酵の香りが漂うまち。
初めて歩いたとき、思わず息をのむほどの景色がそこにありました。


🍶 歴史が息づく「醸造の街 摂田屋」

摂田屋は、江戸時代の旧三国街道沿いに発展した商人の町。
「摂田屋」という地名は、“旅人をもてなす接待屋”が語源とも言われています。
まさに人と文化をつなぐ、“おもてなしの原点”のような場所

戦火を免れたこの地区には、
いまも明治・大正期の蔵が立ち並び、
白壁の土蔵やレンガの煙突、古い木造の町家が美しく保存されています。

歩いてみて感じたのは、川越や倉敷にも通じる風情
観光地化されすぎていない、静かで力強い空気。
“暮らしの中に残る本物の美しさ”に触れられる場所です。


🥢 越のむらさき・吉乃川・サフラン酒──発酵文化の宝庫

摂田屋には、いまも6軒の醸造蔵が現役で息づいています。

▫️ 越のむらさき(醤油蔵)


あの柔らかいコクとカツオの香りでファンの多い「越のむらさき」。
本店では歴史あるレンガの煙突がランドマークのようにそびえ、
店内には木樽や味噌桶が並び、見学だけでも圧倒されます。
お土産コーナーには限定の生醤油や調味料も並び、手土産にもぴったり。

新潟に通うようになってから、私のイチオシのお土産は地元の人に教えてもらったこのお醤油。
一度おいしさに気づいてしまったら、他のお醤油が使えなくなるとの声も多数届いています。
ネイチャーランドの売店でもお馴染みの、大好きなお醤油の本店です。


▫️ 吉乃川ミュージアム「醸蔵(じょうぞう)」

新潟最古級の酒蔵・吉乃川では、
仕込み水の試飲や酒づくりの展示が楽しめる“光と香りのミュージアム”。
子ども連れでも退屈しないように工夫された空間で、
おしゃれなデザインの地酒も豊富。
蔵人の丁寧な解説に、発酵の奥深さを感じます。


▫️ 機那サフラン酒本舗 — 100年を超える時を刻む“鏝絵の蔵”


見慣れないカラフルな蔵に興味を惹かれ、吸い込まれるように施設内へ。
どんどん引き込まれていく不思議な体験でした。

まず目を見張るのが蔵の外壁をぐるりと囲む、カラフルな鏝絵(こてえ)
職人の手仕事による漆喰彫刻は美しく、その珍しさがゆえ、年に一度イタリアから職人を呼びメンテナンスをしているとのこと。

蔵だけでなく屋敷や庭も案内してくれるガイドツアーに参加。
屋敷の中の装飾も、サフラン酒で財を成した吉澤仁太郎のこだわりが詰まった豪華な建材に驚きの連続。
広い廊下の一枚板や、屋久杉を用いた梁、煌びやかな螺鈿の壁。
客間や座敷だけじゃなく、女中さんが使うお勝手まで大理石を使っているということに、
この時代の贅を尽くした仁太郎の男気を感じる、興味深い内容でした!

ガイドの方に話を聞くと、母屋にはつい5年ほど前まで五代目当主が実際に暮らしていたのだとか。
現在は長岡市の手も加わり修繕が進められているとのことで、今後も目が離せない施設です。

地元の人でも中に入ったことがない人が多いそうで、
今ではNHKをはじめ、さまざまなメディアで紹介され、
週末には県外ナンバーの車がずらりと並ぶ人気スポットに。

蔵の中には、当時のサフラン酒のラベルや調合器具、
創業者の人となりやエピソードが展示され、“薬酒”という文化を通して、明治の知恵と美意識を感じられます。

 


🌸 お庭とスイーツで一息「江口だんご」

町歩きの合間には、老舗和菓子店「江口だんご」でひと休み。
広々としたお庭を眺めながら、五色だんごや笹団子、あんみつ、限定の和パフェを味わうひととき。
おしゃれなカフェスペースやお土産コーナーもあり、旅の疲れを癒すのにぴったりの場所です。

ここで提供されるお茶も、さすが発酵の街。
吉乃川の酒粕を茶畑に入れた「粕雪茶(はくせつちゃ)」は、煎茶、焙じ茶、紅茶が楽しめます。


🚶‍♀️ 歩くだけで五感が満たされるまち


摂田屋はコンパクトなエリアなので、1〜2時間で気軽にまわれるのも魅力。
蔵と蔵の間を歩けば、発酵の香り、木造建築のぬくもり、
そして地元の人のあたたかい笑顔に出会えます。

あちこちに個性的なトイレ(これがまた可愛い!)や
街並みに馴染んだ案内サインもあり、写真映えスポットも満載
まるでひとつの「発酵テーマパーク」です。


🧭 アクセスと観光ルート

  • 📍 所在地:新潟県長岡市摂田屋周辺(JR宮内駅から徒歩10分)

  • 🚗 駐車場:摂田屋6番街 発酵ミュージアム米蔵に併設

  • 滞在目安:90分〜半日

  • 🍜 近隣おすすめ:青島食堂 ・いち井


✨ まとめ:まだ知られていない、新潟の宝のようなまち

摂田屋を歩いて感じたのは、
“観光地化されすぎていない美しさ”と、“発酵文化の奥深さ”。

にぎやかすぎず、静かすぎず。
子どもも大人も、五感で楽しめる上質なまち歩き

次に新潟を旅するときは、
青島食堂でラーメンを食べたあと、
ぜひこの「醸造のまち・摂田屋」に立ち寄ってみてください。

そこにはきっと、「こんなところがあったのか!」という感動が待っています。

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